アメリカ合衆国 最南端の地へ


バックス戦での感動的な(←私にとっては)勝利から一夜明けて3月5日。この日は試合もなく、今回の旅行で2度目の完全フリーの1日です。当然、旅行前には何をするかなんてこれっぽっちも計画していませんでしたが、さすがに行き当たりばったりでウロウロするわけにもいきません。というわけでこの日は、ホテルのロビーのおじさんに勧められた「キーウエストへの日帰りバスツアー」に参加することにしました。キーウエストは、フロリダ半島の先端に連なる小さな島々の最先端に位置する島で、全米でも有数のリゾート地として知られています。また、キーウエストはハワイを除くアメリカ合衆国本土の中で最南端に位置する島でもあります。

↓丸数字で「5」と書かれた辺りがキーウエスト。マイアミからの距離はおよそ200kmぐらいでしょうか。




キーウエストまでの行程はバスで片道約3時間半とのこと。Overseas Highwayという、文字通り 海の上を走る道を南下することになります。約200kmの距離をバスで移動するわけですからさすがに時間はかかりますが、どうせ1日やることがないし、のんびりとバスに揺られる旅というのもたまには悪くありません。「窓からの景色も最高に綺麗なんだよ、いやマジで」というホテルのおじさんの強力プッシュもあったので、景色を眺めているだけでも楽しめそうです。

ツアーバスは午前7時半に出発ということで、早めに準備を済ませてホテルのロビーに到着。おっ、ホテルのロビーに今朝の新聞が山積みにされているではありませんか。宿泊客は無料でもらえるとのことなので、Miami Herald と USA Today をゲット。バスで移動中の時間つぶしにはちょうどいいですね。観戦した試合の記事も載ってるし、これは永久保存決定です。

↓上が USA Today、下が Miami Herald。ともに勝利の立役者オルストンの写真を掲載しています。






新聞の記事にざっと目を通しているうちにツアーバスが到着。バスはいくつかのホテルをまわって参加者を乗せてからキーウエストへ。私の泊まっていたホテルからは私だけでしたが、参加者総数は10人弱になりました。というわけで、いざ出発!

バスは南へ向けて走り始めましたが、海沿いに出るまでは特に見るものもなく、暇だったので隣に座っていた白人の兄ちゃんに話しかけてみました。どこから来たのか聞いてみたら「カナダ」との答え。「僕は日本から来たんだけど、小さい頃はカナダに住んでたよ」と返すと、「おお、ほんとに? 奇遇だね。よろしく」…気さくな好青年って感じの彼の名はステファン・ゴベイ。結局、バスに乗っている間はほとんどずっと彼と話していました。見ず知らずの相手との会話で盛り上がるっていうのも旅の醍醐味の一つですね。一人旅っていいなぁ。

ただ、一つ気になったのは…ステファン、カナダ出身なのに英語が…変。(笑) ひょっとすると私の方が上手いんじゃないのかってぐらいに…ほんとにカナダ人なのか?(笑) ん? もしかして…「ステファン、カナダのどこから来たの? ケベック?」「そうだよ」 やはりそうでしたか。ご存知の通り、ケベックはカナダの領土ですが公用語はフランス語です。普段は英語をほとんど使わないと聞いていましたが、ステファンの話し方を聞いてると納得。(笑) マイアミのことを「ミアミ」と発音するので、最初何を言ってるか分かりませんでした。(笑) フランス語では母音が続く発音を嫌うので、どうしてもそうなってしまうみたいですね。

ステファンに「フランス語は喋れる?」と聞かれたものの…「答えは"ノン"だね(笑)」。大学時代にフランス語を履修してはいたものの、恥ずかしながら辛うじて単位を取れたというレベルなので会話は不可能。「うーん、知ってる言葉と言えば…ウィ(はい)…ノン(いいえ)…あとは数字とか…クロワッサンとか。(笑)」 ほんとにそんなもんしか知らないのか、自分って感じですが。(笑) 「ステファンは何か日本語で知ってる言葉はある?」と聞いてみると、「うーん、スシとか…サムライとか…トヨタとか…」 トヨタって、アンタ。(笑)

そうこうしている間に、トイレ休憩に。とりあえずトイレを済ませてぶらぶらしていると、カメラをもってウロウロしている日本人ぽい女の子を発見。どうやら私と同じバスツアーの参加者のようです。他のツアー参加者に混じってガイドの話を聞いているものの…なんか、見るからに分かってないないって雰囲気が。(笑) 服装や仕草が日本人ぽい感じなんですが、ひょっとすると韓国人かもしれないので、とりあえず英語で話しかけてみることに。

アキロー「Hello.」
女の子「....Hello.」(ちょっと驚いた様子)
アキロー「Where are you from?」
女の子「え?」

…答えは得られませんでしたが、日本人であることが判明しました。(笑)

アキロー「You 're from Japan, right?」
女の子「...Yes.」
アキロー「実は僕も日本人なんですけど」
女の子「えっ…ええっ?」

このときの驚いた表情はかなり笑えました、本人には悪いですが。(笑) 女の子のお名前は花岡さん。「英語は全然分からないんですよ〜。一応、英文科にいたんですけど…」…って、あかんがな。(笑) 英語が分からないのにアメリカを一人旅とは、なかなか勇気がありますねぇ。コミュニケーションに大切なのは言葉ではなく気持ちだってことでしょうか。

↓休憩場所にあった謎の巨大エビの前にて。このエビが何を意味するのかはいまだに謎です。




トイレ休憩も終わり、再びバスが出発。引き続きステファンとの会話で盛り上がったり、ぼーっと窓の外の景色を眺めたりしていたら、ほどなくキーウエストに到着しました。到着時刻は午前11時15分。ホテルを出発してから3時間45分の長旅でしたが、喋る相手もいたし景色も綺麗だったので、それほど長くは感じませんでした。

キーウエストに着いて、まず初めに思ったことは…海が信じられないほど綺麗! 言葉でどう表現すれば分からないぐらい、とにかく美しいエメラルド色。この世のものとは思えないほどです。(決して大げさではなく) 全米有数のリゾート地というのも頷けます。

↓写真ではうまく伝わらないかもしれませんが、本当に透き通ったエメラルド色の海です。




↓街並はいかにも南国って感じの雰囲気。




帰りのバスの出発は午後3時半ということで、約4時間の自由時間に。いろいろと見どころがあるようですが、どこに行こうかな〜。ステファンと一緒に動こうかと思いましたが、行き先を決めてるとのことだったので、単独行動に……なるはずだったのですが、出発しようかと思ったらなにやら花岡さんが困っている様子。どうも、運転手のおっさんに「俺がキーウエストを案内してやるよ」と言い寄られて(?)いるようです。

花岡さん「あのー、よかったら一緒にまわりませんか?」
アキロー「いいですよ」

こうして、おっさんの恋は儚く散ったのでした……。

とりあえず最初に向かった先は、「老人と海」「武器よさらば」などの作品で知られる小説家、アーネスト・ヘミングウェイが晩年を過ごしたという家。入場料は10ドル。家に入るだけにしては随分高いと思ったら、ガイド料も含まれているようです。しかし、英語の説明はよく分からないし、日本語のガイドブックも置いてあったので、ガイドの案内を無視して家の中を徘徊。家の周辺にやたらとたくさん猫がいたことが印象に残っていますが、ヘミングウェイに関することはほとんど印象に残っていないのはなぜでしょうか?(笑)

↓まぁ、なんというか…普通の家ですね。(笑)




続いて向かったのは、アメリカ本土の中で最南端の地点である Southermost Point 。海を隔てて約90マイル (56km) 先には、キューバがあります。マイアミからの距離が200kmであることを思えば、すぐそこですよね。キーウエストは、今ではリゾート地となっていますが、昔は軍事拠点だったというのも頷けます。(ちなみに、今でもアメリカ軍の基地はあるそうです。) 海を隔てたすぐ先に、かつてキューバ危機で世界を震撼させた国があるかと思うと、ちょっと不思議な気分でした。




そうこうしている間に昼食の時間となりました。レストランは高そうなので、喫茶店風のお店に入ることに。花岡さんは無難にサンドイッチ、私はどういうものかよく分からずにチリフライなるものを注文。何事も挑戦です。バスに乗って以降は二人とも何も食べていなかったので、かなり腹が減っていたのですが…うーん…飯がきませんね。店員に聞いてみると「もう少し待て」とのこと。あ、そう。…もうしばらく待ってみる。…で、きたのがコレ。




一人で食えるかよ!(笑)
これがチリフライですか…食べる前から食欲なくなりそうです。後方右に置かれているデジカメの大きさと比較すると、その巨大さが分かります。ありえねぇ…。これは二人で分けないととても食べきれないね〜、と話していたら、花岡さんが注文したサンドイッチもきました。


一人で食えるかよ・パート2!(笑)
うーん…なんというか…アメリカンサイズの恐ろしさを改めて痛感しましたね。6〜7ドルぐらいの値段だったので甘くみていました…。二人で一品の注文でも余ったんじゃないかと思われる巨大なメニューが目の前に二つ。参りました。そりゃ、こんなに大量の食事を毎日食ってたら太るって。(笑) とりあえず食べてみたものの、すべて食べきれるはずもなく…大量に残すのもどうかと思ったので、残った分はお持ち帰り用に包んでもらうことにしました。(日本ではあまりこういうことはしませんが、アメリカでは普通です) しかし、それでも結局食べきれませんでしたが…。

その後は、街中をぶらぶらしたり土産物を物色したりして、自由時間も終了。片道3時間半かけて来た場所で、滞在時間が4時間というのはちょっと短いように感じましたが、帰り道も同じく3時間半かかるので仕方ありません。こうして、我々はキーウエストでの短い滞在を終え、バスは予定通り3時半に出発。特にやることがないからという理由で参加したキーウエストツアーでしたが、海は綺麗で街の雰囲気も素晴らしく、大満足の1日となりました。さらばキーウエスト。

帰りのバスでは、さすがに疲れて寝ている人が多かったですが、私とステファンは相変わらずトークで盛り上がりました。

ステファン「バスケの試合のチケットっていくらぐらいしたの?」
アキロー「1試合200ドルだね」
ステファン「高っ!」
アキロー「まぁね。でも、そのためにアメリカまで来たんだし、ファンにとっては安いもんだよ」
ステファン「僕はスポーツには全然興味ないから分からないなぁ」
アキロー「正直なところ、マイアミまで来たけど観光にはあまり興味ないんだよ(笑)」
ステファン「なるほど(笑)」
アキロー「ニューヨークとかLAだとチケットはもっと高いよ。いい席だと軽く1000ドル越えるしね」
ステファン「まじで? メモっとこ(笑)」

メモってどうするつもりなんでしょうか。(笑) しかし、一般人にとってみれば、3試合のチケット代が600ドルというのはやはり信じられない額なんでしょうね。往復の飛行機代とほぼ同額ですし。(笑) それを当然のごとく「安い」と思っている私の方が普通じゃないんでしょう。(笑)

その後、バスは休憩のためにファストフード店の前に停車。記念にステファン、花岡さんと写真を撮り、メールアドレスを交換しました。こういう出会いがあるのも旅行の醍醐味ですねぇ。ちなみに花岡さんは、アトランタで開催されるコンサート(出演:リンキンパーク etc.)を観るためにはるばるアメリカまでやってきたとか。なんか、私と同じ匂いを感じます。(笑)

↓店の前に座り込み、ハンバーガーをほおばるステファン氏。(左端)




ほどなくしてバスは出発。海の上のハイウェイに別れを告げ、マイアミへ。参加者をそれぞれのホテルまで送り届けて、半日間に及ぶキーウエストツアーは終了となります。バスがホテルに着くだびに、参加者全員が別れを惜しみつつ、降りていく人達を見送っていきます。そして間もなく、バスは私のホテルへ。軽い気持ちで参加したツアーでしたが、すごく充実した時間だったなぁ…。短い時間だったとはいえ、ともに旅した仲間との別れが惜しまれます。最後に、ステファンとがっちりと握手。もう二度と会うことはないであろう友人と、お互いの今後の活躍を祈っていると言葉を交わし、バスを降りました。

そして、バスは次のホテルへ向かって出発。ビスケイン通りを真っすぐに走っていく姿は小さくなり、やがて見えなくなりました。



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